View Single Post
  #2  
Old Sep 6, 2020, 10:54 PM
JTurner JTurner is offline
Senior Member
 
Join Date: Dec 2007
Location: Highland Park, NJ
Posts: 103
Default

Here's Joe Hisaishi's liner notes from the album in case anyone wants to attempt a translation.

「ラピュタ」のオリジナルを作ったのは、16年も前のことです。「風の谷のナウシカ」をやって、徳徳間書店 さんの大作アニメの二番目の作品である「アリオン」をやった後なので、宮崎駿監督が新作を作っていると聞い ても、僕に音楽が回ってくスルは思っていませんでした。でも、結局、久石がいいということになって、プロデ ューサーだった高畑勲さんと鈴木敏夫さんがのところに依頼しに来て下さった時は、本当に嬉しかった。

「ナウシカ」は、実は音楽自体にまとまりがないんです。シンセのウチコミの音だったり、オーケストラだった りして、全体の拡一感に乏しい。ただ、「ナウシカ」の物語に気持ちを入れこんで作ったので、統一感のなさが 問題にならないくらいの形復力があった。そういうこともあって、「ラピュタ」は音楽としての完成度をすこく 上げたいと思って作ったんです。保自身随画を楽としてのまとまりのある仕事が出来たのは「ラピュタ」が初め てだったような気がします。完成したフィルムを観ると、画面が呼吸しているんです。音楽がなんとなく流れて いるんじゃなくて、突然アップテンポになって、ガッと下がって、また上がって、序破急と言うんでしょうか、 緩急のメリハリがすごくあって、自分でも、こんなに上手く作れたんだと感心できた作品でした。

「ラピュタ」の音楽はそういうふうに完成度が高かったので、アメリカでリリースするに際しても、本当は手を 加えたくなかったんです。しかし、アメリカ映画は最初から最後まで音楽が鳴っているのが普通だから、今まで の「ラピュタ」の音楽の付け方だと、アメリカの観客はなじめないんじゃないかということで、もう一度録り直 すことにしました。宮崎駿監督にも確認をとったんですが、自由にやっていい、というにとでしたので。

実は僕は、ハリウッド映画の音楽の作り方は、そんなに好きなほうじゃないんです。僕の映画音楽の作り方とい うのは、監督の作りたい世界を根底に置いて、そこからイメージを組み立てていく。しかし、ハリウッド映画は 、基本的にキャラクターのための音楽を作っていくんです。はっきり言ってしまえば嫌いなやり方なんですけど 、あえてそういう単純明快なアプローチを試してみようと思いました。「ラピュタ」は冒険活劇なので、ハリウ ッド的な音楽もいいかな、と。

今回は、もともと完成されたオリジナルがあるということで、気楽なスタンスで作ることができました。音楽を 作る時、一番能しいのは、新しいメロディを作り出すことです。今回はそれがなかったので、精神状態が安定し ていて、曲にゆとりが生まれました。作品に入れこみすぎて、一生懸命になりすぎてしまうと、かえって視野が 狭くなって、豊かなイマジネーションが損なわれてしまうものなんです。その結果、出来上がった音は、堅苦し い音になってしまう。でも、今回は音に遊びがあって、自分で聴き直して、素直にいいなぁと思える出来になり ました。トラックダウンをやっていても、すごいな、これ、と。自分ですごいなんて言っちゃいけないんですけ ど(笑)、今回の音は屈託がないんですよ。いい意味で、ノビノビしているんです。

かと言って、楽して作ったかというと、そんなことは全然ありません。ハリウッドでもこれだけお金をかけるこ とはないですというくらいの壮大な費用を使っていますし、スコアの量もすごいですから。音は、正統派のオー ケストラサウンドです。もちろん、シンセを入れたりはしていますが、東洋的な音を入れたりするような、奇を てらうことは、一切していません。ハリウッド映画をやっているオーケストラや指揮者の方に演奏していただき ましたが、結局は自分のやりたい音になりました。真っ当なオーケストラで、自分のオリジナリティを出そうと 思って作った作品ですね。

久石譲

Last edited by JTurner; Sep 10, 2020 at 12:00 PM.
Reply With Quote